TERUOKI MISHINA “OFF SEASON”

AD: Miki Kadokura as The Simple Society
Client: Rondade (Tokyo)
Music: Teruoki Mishina
Artworks: Shinichi Takeda (Nara, Japan)
Sculpture Photo: Katrin Streicher (Berlin)
2012

We added a physical dimension to the music in collaboration with sculptor Shinichi Takeda and photographer Katrin Streicher. The CD packaging has a Nesting structure. The CD package includes a photograph of its own sculpture inside. In Berlin, We built the sculpture based on Shinichi Takeda’s sketch which was sent from Japan. And Katrin Streicher photographed the sculpture in Berlin. We tried to make this object silently invade into people’s memory. A stretched out drawing of a rabbit is a metaphor of our time recognition in or out of our dream.

TERUOKI MISHINA “OFF SEASON”

AD: Miki Kadokura as The Simple Society
Client: Rondade (Tokyo)
Music: Teruoki Mishina
Artworks: Shinichi Takeda (Nara, Japan)
Sculpture Photo: Katrin Streicher (Berlin)
2012

いつの間にか外套のポケットに入っていた。
その地図を手に、とある街をあるく。
地図に書き込まれた文字は、自分が書いたのかもしれないし、
もともとそのように書いてあったのかもしれない。

記憶は定かではない。
ここは以前、訪れたことがあったのだろうか。
カチコチと伸縮する雪兎が通り過ぎる。
ほの暗い部屋に、薄氷の緊張感が漂うオブジェ。
いつからそこにいるのか、
羊羹のように濃密な影の中に浮かび上がる紙肌は
ひそかに寝息をたてるようである。

これは、OFF SEASONの収録曲を初めて聴いた時に、頭に浮かんで来た物語です。

ジャケットをデザインするにあたり、骨董屋で「出逢ってしまう」本のように、CDを単なるメディアとして捉えるのではなく、手に取る人の記憶に侵入して自然と侵入してくるような存在感・物質感をめざしました。ジャケット中面の空間は、そこに降り積もる「沈黙と時間」または「夢」を表しています。帯は脆い板紙にピンクマスターという古い手法で印刷しており、時間の経過とともに劣化してゆきます。そこに描かれた武田晋一の手によるユキウサギは、夢の中のように奇妙に引き延ばされた時間軸を、OFF SEASONの象徴として具現化したものです。